ホテルに入りエレベーターで最上階まで行き

夜景が一望出来る薄暗い綺麗なレストランに着いた。



わぁ…。

こんな所、自分には縁のない場所だと思ってたから


凄く特別になれた気分になる。





「教師同士の職場恋愛?」

「…え?な…成宮くん!?」



何でいるの!?





「そんなお洒落して男と高級ホテルに来るなんて、みーちゃんもただの女なんだね」


「ここの最上階のレストランのディナーチケット当たったんだよ。だから俺が桐谷先生を誘ったんだ」


「ふーん」




腕を組んで不機嫌そうな顔をしながら中原先生を見つめる成宮くん。



本当成宮くんは神出鬼没だな。


ってか、私のストーカーか!?





「オッサン。俺、これからアンタの授業出るからさ、チケット俺に譲ってくれねぇ?」




チケット譲れって…


成宮くんはただ単にここのレストランに来たかっただけ?



なら…



「私のあげるよ。中原先生楽しみにしてたみたいだから」


「みーちゃんのじゃ意味がない」




私の方を見ずに呟く成宮くん。



中原先生は困ったように笑いながら息を吐くと、頭を掻いた。




「仕方ないな。約束通りちゃんと授業出ろよ?」


「あぁ。サンキュー、オッサン」


「中原大先生様と呼べ!」




中原先生はおちゃらけて笑いながら成宮くんにチケットを渡した。




先生がくれたチケットなのに、本当にいいのかな…。






「成宮は酒飲むなよ…って言わなくても桐谷先生がついてるから大丈夫か」


「本当にいいの?中原先生が当てたチケットなのに」


「いいよ。桐谷先生も成宮との方が嬉しいだろ」




中原先生は爽やかに笑いながら、ホテルから出て行った。