言い過ぎたかな。


でもあれくらい言ってやらないと

どんどん調子に乗らせちゃうよね。




ていうか、私のペースが乱されちゃう。





その日はそれから一度も成宮くんに会わないまま、放課後を迎えた。





「中原先生は教師と生徒の恋愛ってどう思う?」




…って、何聞いてるんだ私。





車に揺られながら、運転する中原先生に問い掛けた。





「俺は別にいいと思うよ。教師と生徒って言ったって、所詮は人間同士なんだし好きって気持ちに良いも悪いもないよ」


「…そうだよね。ただ、周りから白い目で見られてもその気持ちを貫けるかどうかが大切なんだよね、きっと」




別に私には関係ない事だけど。





「…もしかして桐谷先生、生徒に恋してるの?」


「えっ!?」




図星を突かれたワケでもないのに

何故か動揺してしまった。





「成宮…とか?」

「ないないないっ!絶対ない!!」




ありえない!





「成宮は男前だもんな。授業出ないクセに成績は学年トップだし、教師の俺でも憧れるよ」


「はぁ…」




まぁ、そうだけど。



あのどうしようもない性格さえどうにかしたら、ちょっとは…



ん?

ちょっとは…何!?





「よし、到着」




何だかモヤモヤしながら、ホテルに着いた。



さりげなくドアを開けてくれる中原先生は、大人の男性だなぁと実感する。