「どうしてー…?どうして、信じて待てって言うのー…!?!?」

「俺たちはそれしか出来ないからだよ。」


「信じて待ってても、信じていてもッ…!!…………あの兄弟は手の届かない存在だからッ、戻って来ない時もある…ッ…。」

「…ッ、」


「だから、私が必死に追いかけないといけないの…ッ。」


そう言うと泣き出した千佳。


千佳の言うことには納得できる部分があって。



それでも俺は、


「千佳―…。確かに千佳の言うことには共感できる。でも……

たまには、追いかけてもらいたいと思うだろ…?だから、由莉を追いかける前に、追いかけて貰おうぜ…?」


…………そう思うんだ。


すると千佳は、キョトンとした顔になって、


「亮は強いんだねー…。」


そう、涙を流しながら笑った。
その顔は儚げで、でも綺麗で、何故かこの時から千佳の事を守りたいと思うようになった。


「とりあえず、寝な?放課後また、起こすから。」


「一人になりたくないー…。」

「千佳が寝てからも傍にいるから。」


「ありがとうー…。」


そう言って、しばらく経てば、静かに寝息をたてていた。


とりあえず、千佳の方は大丈夫だな。


そう思って、ベッドの横にあるパイプイスに座って、千佳を眺めた。



―――――――


座って一時すると、考えるのは犯人が誰かということ。