涙が…、

涙が溢れてくる。

涙って枯れることがないんだ。

次から次へと溢れてくる涙を止めることはできなかった。

夢が叶うことは無かった。




ーガラガラー

教室の扉が開き、

慌て涙を拭った。

教室が暗いから、

誰が入ってきたのか分からない。


「ハル。」






「勝也…?」







どかどかと私の隣にきた勝也は、

教室の窓から身を乗り出し花火を見上げた。

「綺麗だなぁ〜!!

やっぱり近くで見る方が迫力あっていいなぁ〜!!」

「………。」




なんでだろ。

なんかまた泣けてきた。

勝也の時たま見せるこうゆう優しさは、

私をそっと温めてくれるパワーがあった。

勝也を見たら、

ほっとして泣けてきたのが本音かもしれないけど。


「泣くなハル。」

「うん…。」

「花火綺麗だから。」

「うん…。」



私も勝也と一緒に花火を見上げた。