学祭準備は忙しい。

学祭まで、

あと一週間をきっていた。



私と康介と美夜子は、

屋台グループになった。

毎日放課後は残って準備に取り組んだ。

これがまた楽しくて楽しくて、

クラスのみんなが一つになっていく感じが、

たまらなく嬉しかった。


クラスの男子もいい奴らばっかで、

今どきの男子には珍しく、

手伝いだって一生懸命してくれた。

ちょっとしか話したことなかった友達とも、

この期間にたくさん話すようになったし、

私が憧れていた学校生活を手に入れた気分になっていた。




「あれ〜??

美夜子、康介知らない?」

「康介??

見てないね〜。」

屋台の看板のペンキ塗りをしている時に、

康介が居ないことに気付いた。

「どこ行ったんだろ。」



うろちょろしながら康介を探していると、

一組の教室まで来てしまった。

「春菜ちゃん!」

南ちゃんだ!!!

相変わらず可愛い…。



「カッチ探してるの?」

「えっ!?違う違う!!

康介探してるの。見なかった?」

「あ〜!!康介君ならさっき帰ってたの見たよ!」

「えぇ!?」


なんで??

なんで何も言わずに帰っちゃうの…。



「あ…春菜ちゃん。」

「なに?」

「話があるんだけど、

今ちょっといいかな?」


話?

南ちゃんが私に??



「あ、いいよ!!」



本当は康介に電話したいけど、

それはあとにしよう…。