「あのっ、赤い車を追いかけて下さい!!」 「はい。」 中年のやる気なさそうなおじさんが、なまぬるい返事をした。 「あの!!急いでくれませんかっ!?」 「でも…。最高速度がこれなので…。」 「~っ!!」 穂乃香を乗せた車はどんどん遠ざかっていく。 「穂乃香…。」 「君…。訳ありかい?」 「は?」 訳のわからない事を聞いてくる。 「訳あり?」 「そうさ。訳あり?」 「!!!そうです!」