「早く片付けよ!授業始まっちゃう!」 「あぁ!そうだな!」 いそいそと支度をし、稽古場を出た。 「礼人も、もう2年生か~。早いね?」 「穂乃香もだろ?3年生ジャン。」 「うん…。大学どうしよう…。」 「あれ?弓道選手になるんじゃないの?」 幼い頃、穂乃香は弓道選手になるとしつこく言っていた。 「そうかもね。あはは。」 そこにはなぜか、寂しそうな穂乃香の顔があった。