「まい!!」

帰り道、一人で帰っていると翔が声をかけてきた。


「今帰りか??」


「…うん。」


「まさか翼の女だったとは…


こんなチンチクリンがな(笑)」


「…うん。」


なんだか今は怒る気になれない。


「…


気持ち悪ッ!!!どうしたんだよ。元気ねーじゃん。

あ、わかった!!

翼に捨てられたんだろー!!」


「…。」


「…まじ!!!?」


あのえっちには愛があったのだろうか…

少なくとも私はそれを感じなかった。


そんな道具みたいに扱われるくらいならいっそ捨てられた方がまし…



何も言わない私に翔は、


「何もかも忘れられる楽しいことしにいこうぜ!!」


と私の手を握り走り出した。



目的地は分かってる。

翔の"楽しいこと"と言えばひとつしかない。