そう呟いて小粒はハタと気が付いた。


「ああ、毎日ぶっ飛ばしてるんだった」


 どうやらそれでも太は懲りもせず、ああだこうだと小粒にまとわり付いているらしい。


「あいつも小学4年生までは細くて、背も高くて格好良かったんだけどなあ」


 小粒は遠い目をして虚空を仰ぎ見た。


「いやいやイカンイカン。それは遥か昔の話だ、今のアイツを見ろ。見る影もない」