実質校内で最強となった靭と連るんでいる齢には、当然それ以降何の厄災も降り掛からなくなり、齢本来の魅力も遺憾無く発揮されて現在に至っている。


 実の所。靭は繊細な神経の持ち主で、見掛けに依らず大雑把な齢とは絶妙なバランスを保っている。


中学時代から友情を育んで来れたのは、そういう面も有るからなのだ。


それに加え、もうひとつ理由がある。


「そっか。靭はいつもしっかり考えてて偉いよね。僕、尊敬しちゃうよ」


「がははは。そんな大したことじゃねえさ」


 そう笑い飛ばして靭はほんのり顔を赤らめた。