「そうだよな。それと、あの時現れた男は大俵だってもっぱらの噂だ。そんなことって有ると思うか?」


 小粒にタオルを掛けてエスコートしていった太の正体も、一部の生徒たちにはバレているようだ。


「とにかく、古賀先生……いや、あの猿三兄弟以上の刺客を送り込まなければいけない。なんとしても我々の復権を果たすんだ」


「はいっ」


 どうやら井手たちは、ちっとも懲りてはいないようだった。


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「なあ太」


「なんだあ? 小粒う」


 あれから小粒は無闇に太をぶっ飛ばさなくなり、一緒に居ることが多くなった。


「俺は今まで、なんでも自分一人でやってきた。人は信用出来ないからな」


「俺のこと位は信用してもいいんじゃないかあ?」