元々は疾風の『超活(超高速活動)』が発現し、それに刺激される形で潮の『牛歩』が現れた。


時の流れを前後させることが出来ると解ったのは、ここ数ヶ月のことである。


「でも、このままだと僕らの作品、オブジェ以外は陽の目を見ずに終わることになるけどお?」


 美術部の部室を兼ねている美術準備室から教室を覗くと、彼らが怖れていた通りに顧問の世良がいそいそと自作品の配置決めを行っている所だった。


 疾風は一瞬考えたが即座に決断する。