「綺麗な顔して、慰謝料でも請求するつもりなのお?」


 齢が弱々しく抗議する。


「おい、齡。止せ。真琴さんはそんな人じゃないぜ」


「いいえ。先輩は冷徹な人よ? いい気味だわ」


「んもうっ、好き勝手に喋らないでっ!」


 静香の声は小さかったが、その真剣さはみんなを黙らせるのに充分だった。


「すまん」「ごめえん」「すいませんでしたあ」


 三人三様に謝っておとなしくなると、改めて静香は切り出した。


「今後と言うのは、私達の能力の生かし所についてなの」


「能力の生かし所……」


「そう。私と椎菜は、この力を世の中の為に使いたいと思ってる。貴方達の力が加われば心強いし、もっと大きなことが出来そうじゃない」


 静香は慈愛に満ちた笑顔を浮かべて、一同を見回した。