「じゃあさあ疾風。アレ、やっちゃえばいいじゃん。どうよ」


 潮は意味有りげに疾風を見上げた。


「簡単に言うけどお前……俺がどれだけ疲れるか解って言ってんのか?」


「疲れるのは僕だって同じじゃん」


「お前のは心拍数上がらないだろうが! 俺のは全力疾走と同じなの」


 そう、ご想像通り彼らも能力者である。


 潮は時の流れを限り無く緩やかにすることが出来るし、疾風は停まった時を少しだけ操ることが出来る。