「直接話を聞いて警戒されるのもなんだしな。仕方ない、諦めるか」


 靭はそう零したが、2人の正体を見極められなかった無念さよりも、齢の心を奪う巨乳から離れられることに安堵していた。


「でもあの制服ならここいらで良く見るし、なんとなくまた会える気がする」


 靭の気持ちを知ってか知らずか、齢は目をランランと輝かせていた。


「誰かっ! 誰か来てっ!」


 すると彼らの耳を女性の金切り声がつん裂いた。


「なんだ、どうした?」


 2人が辺りを見回すと、口を片手で塞ぎ、もう一方の手で指差しながら立ち竦んでいる女性が居る。