「でもさ、あの子達も僕らみたいにさ、全く逆の印象だよね」


「そうだな。あの叫んでた女、喋る声も喧しいし」


「すっごい巨乳だしねっ、触ってみたいよね」


 齢は『エア・揉み揉み』をしながら無邪気にそう言う。しかし靭は複雑な気持ちになっていた。


「お、俺はでか過ぎるのはちょっとな」


 寧ろ胸なんか付いてない方がいい、男の齢が好きなんだから。とも言えず口ごもる。


「僕はまだ子供だから、マザコンなのかなあ。あっ、駅に入っちゃうよ? どうする?」


 これから先はそれぞれの帰途に就くのだろう、これ以上深追いするとストーカー扱いされ兼ねない。