「だからあ、貴方達に聞かなきゃいけないと思ったんですう。だってえ……昼間貴方達が歩いてたのは、普通の人は動けない筈の時空間だったんですからあ」


 廼斗は口の端だけを歪めて笑うと言った。


「フッ、やっぱりな。あの時、あの場所の時間を止めたのは君達だったんだ。……?」


 気付くと周りには人影が無くなっている。


「!」


 廼斗は慌てて立ち上がり、周囲を見回した。


「廼斗お〜、早く来ないと私達、行っちゃうわよお〜」


 スタンドの出入口で光が手を振っている。廼斗はあちこちにぶつかりながら急いでその後を追った。