「真島の姿も無いしな。直接話を聞くことも出来ないか」


「この埋め合わせはしないとね。せっかくの日曜日なのに」


 背筋をピンとのばしてスタンディングし続ける光。


「プレイボール!」


 主審の声が高らかに響き渡ると歓声と共に吹奏楽部の演奏が始まる。男子応援団の雄壮な太鼓を合図に、光達も踊り出した。


「光。ハズレじゃなかったぞ」


「え? もう何か解ったの」


「ああ。恐らくはな」


 廼斗は珍しく表情を弛めて、笑顔になっていた。


「あそこの男、ほら見ろ。動きが機敏過ぎないか?」