シーン…

誰も居なくなった建物内

『…そろそろ出てきたら?皇紀』

コツッ…コツッ…


「何で分かった…『鳳凰の情報収集甘くみるな』

そう言うと皇紀はふっと笑った

「な〜んだバレちゃったんだ」

『それが皇紀の本性?』

「そうだよ!葵…じゃなかった梓さん」

そう言ってニコリと微笑んだ


『兄ちゃんの噂流したのも皇紀だな』


「凄いね!甘くみすぎたな〜」


『ここに来るのも計算の内…』

「そうだよ。まぁ…兄さんが負けたのは計算外だったけどね」


『…そうやって自分の兄貴利用して沢山の人達を傷つけて何がしたいんだよ…』


「僕はね…兄さんを苦しめたいだけなんだ…」

皇紀の目が冷たいものへと変わった


『お前…間違ってる』

「間違ってる…?」

『お前…お前の兄さんが両親を死なせたと思ってるだろ?』

「何で…それをっ…」

『だから鳳凰の情報収集甘くみるなっつーの』


「…確かに甘くみていたかもね…」

『だけど…それだけじゃない…』

「え?」


『私も少し前まで…皇紀と同じこと思って兄ちゃん恨んでた…』


「同じこと…」


『…でも本当は恨んでたんじゃない…寂しかったんだ』