「梓!!!」
突然の叫び声に周りが静まり返った
『何だよ…憬』
憬はふっ…と笑い
「助けは?」
と聞いてきた
分かってんのにわざわざ聞くなよ…
『要らねぇ…』
「何分?」
『5分』
そう言って憬に向かって親指をたてた
「何ごちゃごちゃ言ってやがる!!!」
「ナメんなよ!!」
そう言って一度に襲いかかってきた
……―――
5分後…
「すげぇ…」
『1年くらいで腕が落ちるかって〜の!ナメんな』
憬に宣言した通り私は5分で片付けた
『さぁ…鳴耶を返せ』
「嫌だね。」
『んだと…』
「1年前にお前が味わった苦しみをもう一度味わって貰うチャンスを無駄にすると思うか?」
「てめぇ…」
龍翡がキレはじめた
「こいつもあの雑魚みたいにしたら…どうだろうな〜」
そう言って松田は持っていたナイフの先を鳴耶の喉元へむけた
「やめ…『やれるもんならやってみろ』
な!?ふざけんな!正気かお前は!!!」
龍翡は私に向かって怒鳴った
「は?い…いいのかよ!?」
明らかに動揺している松田
『あぁ。ただ1つだけ言っとく。そいつに傷1つつけたら…お前…』
周りの空気が重いものへと変わった
『ただじゃ済まねぇよ…』
ビクッ…
松田は体をびくつかせ怯んだ
「梓!今だ!!!」
私は憬の合図とともに松田のナイフを持っている手を蹴りあげ鳴耶を掴み後ろに投げた
カラン…
ナイフが落ちる音だけが響いた