カツッ…カツッ…


扉の奥から一人の女が歩いてきた
その女は黒くて赤いメッシュが入った長髪
瞳は紅く澄んでいてとても綺麗な女だった

だけどそいつには葵の面影があった


「お前はっ…やめたんじゃねぇのかよ!紅い朱雀」

『紅い…朱雀?あいつが…」

俺達が探していた奴…


「泰稀。龍翡達をここから離しとけ」

「OK」

『何であいつ俺達のこと知って…「龍翡っあれみろ」


翔はそう言って女の左手首を指差した

「何だよ…あれ…って…嘘だろ…」


女の左手首には俺が球技大会の後に葵にあげた龍が彫ってあるブレスレットがあった


『あいつは…葵なのか…』

「そうだよ。君らの知っている葵は鳳凰の総長…縋瀬梓。紅い朱雀だよ」

鳳凰の幹部の一人が言った

『俺達が探していた奴が…葵…』

俺はその状況にまだ信じることが出来なかった