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…―――


『それが…1年前に起こった全て…です』


「「…」」


話しが終わった後も沈黙は続いた


『許されるとは思っていません…償っても償いきれません…それでもっ一生かけて…「梓さん…」


ビクッ…

突然和美さんに呼ばれ全身が震えた



「話してくれて…ありがとう」

『え…』

驚いて顔をあげると和美さんは涙を流しながら微笑んだ

ぎゅ…

そして私の両手を両手で包み…

「もう…自分を責めないで」

と優しく囁いた


『優しく…しないで下さい…私には優しくされる権利は…「実はね…紳が居なくなるちょっと前…家に来たのよ」


『紳が…』


「えぇ…家に来るなり私達の前で土下座したのよ…」


『土下座…?』


「「俺は命をかけて守りたいものを見つけた。だから…鳳凰にいることを許して欲しい」って…驚いたわ…でも嬉しかったの…あの子私達とは目も会わせてくれなかったのに…ちゃんと目を見て言ったのよ…」


「でもね」と和美さんは続けた


「私もあの人も頑固だから…つい駄目だって…そしたら「必ず認めさせてやる」って言って…」


「俺は…後悔してるんだよ…梓さんと同じように…」

謙一さんも優しく言った
「お互い…同じく後悔してる…だから…もうやめましょう…自分を責めるのは…」


『でもっ…「私っ…梓ちゃんには感謝してるんだよ」

泣きながらも話始めた仁美さん

「紳は…いつも梓ちゃんの話していたんだよ?うるさいのなんのって位ね」

『…』

「でも…あいついつも笑顔だった…ちょっと前まではずっとムスッてしてたんだよ」

「こんな感じで」と言いながら自分の目をつり目にした


「だから…感謝してる…私…あいつは馬鹿だけど好きだからさ!」


『仁美さん…』


「だから…」

ぎゅ…
仁美さんは力強く抱き締めた

「後悔から…解放されよ…梓ちゃんも私達も…」


『…っく…』