通話が途切れたケータイをすぐさまパソコンに繋げて相手の居場所を特定し始めた
「梓。一体紳に何があった」
『…』
呼び掛ける憬たちを無視し作業を進めた
「おいっ梓!」
『…』
「おいっ!!!」
グイッ…
『んだよ!?』
中々見つけることが出来ない私は苛立っていた
「紳に何があったんだよ!!!」
『鷲牙ってとこに捕まってんだよ!!!時間がねぇんだよ!』
「梓…俺がやるからどけ!!!」
『…っ』
憬はそう言うと私をパソコンから引き離し調べ始めた
「なぁ…鷲牙って関西のNo.1じゃなかったか?」
彼方が思い出したように言った
「俺…知ってる。鷲牙は汚ねぇ手ぇ使って族を潰してる所だ…」
怒りに満ちた新の口調
「でも…何で紳はそいつんとこに行ったんだ?」
空が言った一言に私はピン…ときた
『…多分紳は私に認めてもらうために…行った…』
あの時…あいつにあんなこと言ってなかったら…
私は自分を責めずにいられなかった
「分かった…場所はここから一番近いところにある廃墟の工場だ」
ダンッ…
「おいっ…梓!!!」
居場所を聞いた私は1人廃墟の工場に急いだ…―