だけど幹部に入れることはなかった


『何度も言ってるだろ!幹部に入れる気はねぇって』

「何でっすか!?俺は喧嘩だって強いし相手の情報だって集めることができるんすよ!!!」

 最近では幹部に入れろとさいそくまでしてきた

『喧嘩が強いだけで幹部に入れるとは言ってねぇだろ』


「でもっ…」


『お前は仲間を見捨てすぎだ。仲間を大切に出来ねぇ奴に幹部の座はやらねぇ…』


私が頑なに幹部に入れさせない理由…
それは…紳の仲間を思う気持ちにあった

紳は確かに喧嘩は強い…だけど仲間を犠牲にし勝ってきた。その結果下っぱの奴等は怪我が絶えなかった

『それに…お前は鳳凰に居ることを家族に許してもらってねぇだろ』


「何で親の許しが必要なんすか!?」

『お前がこうやって生きてきたのは親が居たからじゃねぇのかよ!!親に感謝出来ねぇ奴にここにいる権利ねぇ…』


「…っ」


『憬…彼方行くぞ』


何も喋らなくなった紳を置いてその場を離れた


…―


教室に着くと憬からのお説教が始まった


「梓…お前いくらなんでも言い過ぎだぞ」


『いや…つい…』


「お前なぁ…いくら頭にきたからってあんな言い方すんなっつってんだろ」


『…分かったよ』


「「梓…どんまい」」

『うっせぇ!』

「梓!」

『チッ…』


でもこの出来事のせいで紳があんな目にあうなんて思ってもみなかった…