「ま!とにかく行こうぜ!!!」


急に仕切り始めた空


『「お前が仕切んな!!!」』

「みんなでハモって酷くね!?」


泣き真似を始めた空をほっといて病院に入った


『墨田 紳』

プレートに書かれていた名前
とても懐かしかった


コンコン…

「はい?」

『失礼します』


病室に入ると紳の両親と姉が座っていた

「あなたは…梓さんね」
「久しぶりだね…紳に会ってやってください」

優しそうな紳の母親和美さんと父親謙一さん…そして…

「梓ちゃん!?すっごく似合う〜!!!」

お姉さんの仁美さん…

『あ…ありがとうございます…』


誉められてんのに何か複雑なんだけど…


「まぁまぁ!学校で大変なのに来てくれてありがとう」


和美さんは優しく微笑みながら言った


『いえ…今日来たのは皆さんにお話があるからです』


「話し…一体何の話だい?」

謙一さんが穏やかな口調で尋ねた


『1年前に起こった事を…お話しします』


「梓ちゃん…大丈夫なの?まだ無理だったら『仁美さん。今話さないときっと話せなくなります。』


「話してくれるのか?」


遠慮がちに言う謙一さん そんな謙一さんに少し目を閉じ『全てお話しします』と言った

そして私は静かに1年前の事を話し始めた…