『どういう意味だよ…』
私は痛みを堪えながら彪雅さんに聞いた
「その怪我じゃぁ…無理だろ…だから試合は諦めてさっさと土下座して終わらせろ」
その言葉を聞いた瞬間…何かが私の中で切れた
『…んな…』
「…」
彪雅さんは黙って私を見ていた
『ふざけんなっ!誰が諦めるかよ…みんながここまで繋いだんだ…諦められるかよ…だいたい…』
「残り20秒やで!しかも同点や!!!」
「時間がないぞ!」
後から駆けつけた大和達が叫んだ
ドンッ…
「しまった!!!」
相手に突撃された龍翡はボールを手放してしまった
ボールは私の手を踏みつけた奴が取りゴールを目指していた
『俺は…』
「これで…廃部が無くなる…」
バシッ…
「え…」
私は痛みがまだある右手でそのボールを奪った
『俺は…』
「「葵ー!行けぇ!!!」」
『諦める気なんてねぇんだよ!!!』
ダンッ…
トン…トン…トン…ッ
ピー…
「えっ…と…」
中々結果を言わない審判のマイクを彪雅さんが奪った