「葵。何やってたんだよ」


『ごめんごめん!トイレ行ってた』


そう言うと相手チームが叫んだ


「お前ら本当にやる気あんのかよ!!!スポーツ舐めんなよ!」


「んだと!?」


殴りかかろうとした龍翡を止めた

殴りすぎだよ…お前…
だけど、殴りたくなるのは分かった


『あのさぁ…スポーツ舐めてんのはお前らだろ』


いつもより声を低くして呟いた
近くに転がっていたボールを拾い叫んだ相手に投げた


『脅されたぐらいで自分のやっているスポーツで人を傷つけて…お前らにはプライドはないわけ?俺たちはこの日を楽しみにしていたよ…だから練習だって毎日したさ…』


そして相手の耳元に口を近づけ呟いた


『それを無駄にしたお前らに負けるわけにはいかないんだよ』


「…っ…」


その後俺たちは26対20で着実に点数をひらいていた
よっぽどさっきの言葉が効いたみたいだ…


『あと5分…』


そんなことを思っているとまたしてもあの嫌な声が聞こえた


「何をしているんだ!負けたらどうなるか…分かっているのか!」


その教頭の言葉に相手チーム全員がピクリと反応した


「負けるわけには…いかない…」


目つきが変わった


「俺達にだってプライドはある…だけど…」


ドンッ…

相手チームの1人が急に近づきボールごと体当たりしてきた
あまりにも急だったため倒れてしまった


『いってぇ…』


「部活が出来なくなるのにいちいちプライド何か持ってらんないんだよ!」


ゲシッ…

相手は怒りのあまり周りが見えなくなって私の足首を蹴りあげた


「葵!てめぇ…ってお前ら退け!!!」


近づこうとした龍翡を他の奴等がそれを邪魔していた