『おいっどうしたんだ…って靖抖!?』


人だかりをかき分けながら龍翡の方に向かうと…
そこには右足首を抑えながら苦しそうに倒れている靖抖がいた


「大丈夫か!?靖抖」


「…平気だよ…」


辛そうに顔を歪める靖抖

「大輔。靖抖を保健室に連れてけ」


突然の龍翡の発言に全員がざわざわし始めた


「な!?俺は大丈夫だって」


「貊渡だってお前と同じ気持ちだった。お前だけ無理に出すわけにはいかない」


「だったら…保健室には1人で行く」


そんな言い合いをしている2人に大輔が近づいた

「さっさと保健室行くぞ!靖抖」


「大輔!いいのかよ!?」

「俺は…2人の事信じてるから!絶対まけない…だろ?葵」


『ん?あぁ』


「な!だから行くぞ!」

「うぅ〜…」


うめきながら靖抖は大輔に引っ張られていった


『こういう時には役立つな…大輔』

「あぁ」


ブーッ…ブーッ…


突然ケータイが鳴った


『わりぃ…もう少し休憩にしといて!』


「はい!」


審判に許可をもらってその場を離れた


『メール…泰稀からだ』

《泰稀》
〈相手チームの情報入手した。
相手チームの2-Aは全員現役バスケ部。最近、試合したチームの暴言に腹をたてたバスケ部の1人が殴ったらしい…教頭がそこにつけこみ「負けたら廃部」と脅してるらしいぞ。〉


だからあんなにバスケが上手いんだな…

私は泰稀にお礼のメールを入れ体育館に戻った