中学二年の時だった。





不登校で家にもいたくなくて、プチ家出をした。





当てもなく歩いていたアタシは駅前のライブハウス『ブルー・フルール』に忍び込んだ。





ギターの音が聞こえたから。





わくもなく泣きたくなるようなメロディ。





心の隙間を埋めてくれる弦の響きがアタシをそこへ向かわせた。





ステージでは5人の男が汗が光らせながら演奏していた。





客はノリノリでヘドバンを続けていて、狂ってるんじゃないかと思った。





だけど、心を持っていかれそうになる。