殴られた勢いで尻餅をついたタケルとワタシをエルが交互に見ていた。





「アンタみたいなサイテーな人間、初めて見たよ。そんなヤツがいるバンドの曲を少しでもいいと思った自分が恥ずかしい」





荒々しいドラムも嫌いではなかったのに、叩いているのがこんな最低な人間だなんて。





「ヘッ………バッカじゃねーの」





タケルが笑いながら立ち上がった。





「それが好きだってヤツがそこにも二人いるだろうが。バンドなんて顔がよければどんな最低な人間がやってもいいんだよ! オマエだってモデルだったらわかんだろ? 顔だけでチヤホヤされて喜んでんだろ?」