「由香ちゃん?」

私の態度に異変を感じたのか敬浩くんわ私の顔を覗き込んだ。

「なんでもないです…」

泣きそうになりながらも答えるとまた柏木さんわしつこく聞いてきた。

「そうだよ、俺と由香ちゃん付き合ってるんだ」

えっ?あっえっ?今なんて言った??

「船橋先生と佐藤さんがねぇ〜。」

疑うような目だったけど一応納得してくれたみたいだった。

「だからもう彼女に話しかけるのわやめてくれ。行こうか、由香ちゃん」

「はい。」

敬浩くんの車に乗るとすぐに謝られた。

「ごめんね、由香ちゃん困ってたみたいだからつい嘘ついたけど…。」

「そんな私こそごめんなさい。嘘までつかせてしまって…」

私のためについてくれた嘘だけどほんとになればいいなって心から思った。私って我が儘かな…

「由香ちゃん今日わデートなんだから笑って?」

と言った敬浩くんわいつもと同じ笑顔で私に話しかけてくれた。

「はい」

私も自然と笑顔で頷いていた。