私もなんだか、恥ずかしくなって、小さく頷くだけだった。


どんどん中へと入ってく。


いろんなお店があってどれもこれもにぎやかだった。


「裕子はなんか欲しいものとかある?」


金魚を吊り下げて翔は笑う。



クスクスを笑って私は翔をみた。


「んー、りんご飴・・食べたい」


私にとって、祭りといえばりんご飴。


甘い飴に包まれた赤いりんごをみると無性に可愛くて、ついつい笑ってしまう。



「了解、それじゃ行こ」


引っ張られる手。


翔の大きな手に包まれて、私の手は温かくなる。


だんだん、離したくないと思ってくる。


ずっと、繋いでたいと思ってくる。