翔はびっくりしたのか、私を見てまた前へと顔を向けた。


「裕子が、そう言ってくれるのって嬉しいな・・・」


私の心の中で翔の声が響く。

嬉しいっていってくれる翔。


嬉しいって思ってくれる翔。



でも、私はそれ以上に嬉しいよ。


「・・・ついた」



息を切らして、立ち止まる。


顔を上へ上げていくと、そこはキラキラと光っていて、別世界のようだった。



翔がゆっくり私の手を握る。


驚いて、翔を見ると赤くなった顔があった。



「離れないように・・手、繋いでていい?」



笑って翔は、そういった。