加藤は溜息を吐くと、2人を引き摺って行った。
残されたあたしと松葉の間に気まずい雰囲気が流れる。

「…のおち先生は乗ってくるかな」

「さあ…」

ただの図書館で顔を合わすだけの関係だ。
しかも最近散々な別れ方をしたままである。

「行こっか」

駅前で少し待って来なかったら、送るよ。

済まなそうに笑って、松葉は立ち上がった。