「分からん…」
きゅうん、と鼻で鳴いた木月が机に突っ伏した。
「アンタ理数系でしょ?こんなん公式みたいに覚えりゃあ良いの」
「んだよ理数理数って!たまたまあれだろ!数学が出来ただけで………………」
ポン、と木月の肩に手が置かれた。
「…此処、図書館だからね?」
何時来たのか分からなかった。
派手に身体をびくつかせた木月は反射的にすんませんと謝る。
館長さんだった。
「…びくった……」
あたしは思わず笑ってしまう。
それを見た木月は照れた様に笑った。
が、竹之内の一言で現実に引き戻される。
「やっぱ…バカ?」
「あ?」
「…ほら、やって」
注目されまくってるけど。
周りを見たら、皆此方を凝視していた。
「…しばらく来るのやめようかな……」
ぼそりと呟く竹之内にお前の所為だと木月の肘鉄が入った。