「…何でそんな落ち着いてんだ?」

「ん?いやそろそろ危ないんじゃないかなーって思ってた」

「…何が?」

「普通、人雇って書かせないもん、小説なんて」


自分が書きたい物書いて、それ持ち込んで。


それが認められて本って出されると思ってたから。


「………ああ、」


口の中が干上がってしまった様に、言葉が紡げなかった。


「……なるほど」


やっとそれだけ吐き出すと、叶はそれと、やりたい事も見つけたし、と笑顔で言った。



俺は、



彼女を、心から羨ましいと思った。