あたしが長々とした話を話し終えると、田原はそっかー…と溜息を吐いた。

「…真朱さん、今、どんな気持ち?」

「田原くんに話聞いて貰えたからだいぶーーーー」

「ああ、えと、そうじゃなくて。普段の、とか泣きそうな時の、気持ち」

「………裏切られたって、気持ち、かな?」

「うん。そうか…その人とはどう言った仲なの?」

そう言われても、困る。
ハッキリ言って、最近名前を知った仲だ。

「…図書館で、たまたま話す様になった、仲、です」

話している間に、またツンと鼻の奥が痛くなる。

あー、泣きたくないのに。

すると田原は、手に持ったアップルジュースをあたしに手渡した。

「真朱さんは、こう言うの気にする?」

言われて、視線をやると、ストローが出ていた。
さっきまで田原が飲んでいたらしい。

「…いや、全然」

「じゃあ、後飲んじゃってくれる?」

そういうと、田原はケータイを取り出した。
校舎内はケータイ使用禁止だと言うのに、全くもって気にしていない。

あたしはストローを咥えると、一気に飲み干した。