「そういえば、作家先生、何の本書いてるんですか?」



「…………ケータイ小説」



此処は、笑うところなんだろうか。

作家先生の顔を見ると、濃いグレーのセルフレームメガネで、大真面目な顔をして壁を睨んでいた。