[久留米]

「帰らなくて良いのかい」

俺が彼に言うと、キッと睨みつけてくる。

「…誰の所為でこんな遅くまで残ってやってると思ってんだ」

「ごめんなさいねえ。文字が読める様になれれば良いのだけれど」

「………いい。今日は泊まってくから――――」


晩飯ぐらい作れよ。


そういってノートに視線を落とす。

「…素直じゃないねえ」

苦笑すると、煩い、さっさとしろ、この馬鹿、と続けざまに暴言を吐かれた。