「んでさ、聞きたいがあんだけど」
「…ん?」
学校での一件、突入してきたのは何だ?
「…黒いやつら?」
「ああ…あれだ、SATだろ」
「は?あれって警察の」
しかもSATってテロ対策が主じゃないのか?
しかもなんで
「お前の組のヤツらと来てたんだよ」
「…キギョウヒミツ」
ニッと笑い、坂本は立ち上がった。
「…そろそろ行くわ」
「何かあんの?」
「上の方に今回の一件の報告」
バカが間抜けな怪我したから、上の爺様方が心配心配しちゃってな
「松葉に宜しく言っといてくれ」
ああ、俺、あんなに嫌いだったのにな。
今じゃ…
「ああ」
チリン、と音が鳴って、ドアが開く。
暗くなった空で、烏が飛んだ。
闇に溶けていく赤い頭は、
やはり《下の世界》の住人なのだと思った。