[真朱]

どうやら助かったみたいだ。

竹之内とあたしは子供みたいに抱えられている。

絶対重い筈なのに、竹之内よりも背の高い加藤は、ゆっくりと歩いて行く。

「…お前を護ってくれと、あの人は」

……ん 誰の話してるんだろう?

竹之内の肩が震えた。
あたしは、竹之内に身を寄せる様にして、目を瞑った。