[坂本]

疲れた。

指一本動かすのも億劫で、

力が入っているのは、青一を抱えている腕だけ。

カラン、と竹之内が、木刀を捨てた。


諦めたらしい。


足元に座る真朱を抱き締めた。


「…茜?」

「……無理かもしんねえ」


弾も切れた。

うっすらと屋上にいた輩が降りてくるのが見えた。


マジで、万事休す、だ。


青一の頭を抱いて、竹之内たちの後ろに座った。

俺の足元に伸びた影が、棒の様なものを振り上げるのが見えた。