[竹之内]
「Una…sigaretta vuole succhiarmi in…」
身体を折った松葉が、小さく呟く。
「畜生…」
気が付いたら、口から出ていた。
松葉は目を瞑り、生きるのを諦めてしまった様だった。
「松葉!おい!」
肩を揺さ振るが、反応は薄かった。
「…嘘だろ」
真朱は俺の隣に屈んで、頭を抱えて震えている。
田原が、木月が、何人かに取り押さえられ、廊下に引き倒される。
坂本が、吼え、青一が着物の裾を引っ張られ、坂本に縋る。
…もう、終わりだ。
終わるんだ。
こんなに生きる為に足掻いても、助からないなんて、ーーーー…ホントに。
「この世は、…不公平だ」
数日前まで仕事を無くしてバイトでも探さないと、なんて思ってた。
真朱とは会わないつもりでいた。
けど なんだ?このザマは。
女一人守れずにくたばるのか?