「……ば」


「松葉さん!生きて下さい!」
「丁子さん!丁子さん!いやぁあ!」
「目ぇ開けろよ、松葉ぁ!!」


「…松葉さん」



…静かに寝かせて欲しいんだけど。



薄く目を開くと、何時もと変わらない女顔の、多摩木紅鳶が泣きそうな顔でこっちを覗き込んでいた。


ん、


…………紅鳶?




…あれ   紅鳶連れてきたっけか



幻?



「な、に…どしたよ…黒鳶に、また虐め られた…か?」



「…貴方の所為です」



「………あ?」



「貴方が……になってた、から…」



え?
なに?



「貴方がッ…!死……な…ってた、からっ!」



だから、大事なトコが  欠落  してるんだって。



「……よかった」



涙声でそう言うと、抱き付かれた。

これが加藤とか黒鳶とか坂本とかだったらブッ殺す所なんだが、……なぁ?





「ーーーー……で、此処どこ?」





結局 死んだの?俺は?