「……さて、」




前を向くと、不良っぽい服装の、俺と大して歳が変わらない奴らがぞろぞろと、その後ろから、アリの様に黒い服に身を包んだ男たちも廊下に入ってくる。

此処は三階。窓の外に飛び出したら、怪我をする。



「…お前ら」



田原が、鉄パイプを引き摺りながら、前に出る。

カツ   カツ   カツ

「田原さん、俺らは」

坊主頭の男が苦しそうに言った。

「あんたとやり合いたくない」

カツ    カツ   カツ

「なあ、考えて……」

カツ カツ カカッ

田原が、薙ぐ様に鉄パイプを払った。
目の前にいた二、三人が、倒れ、呻く。



「ねえ、松葉丁子さん」



振り返った田原は、笑ってた。



「これが最後の聖戦ですよ」