やっぱり、外は暑かった。
気怠さが増した。

「何か飲む?」

飲食禁止の図書館にずっといた所為で、喉がカラカラだった。

「あ…はい」

竹之内は黒い長財布から小銭を取り出す。
どうも、くたびれたワイシャツとは違い、小物は人並の物を使っているらしい。
マジックテープとかだったら面白いかも、と思っていると、竹之内が振り向いた。