[Giove]

銀髪は撃ってこない。

口を真一文字に引き結んで、此方に銃口を向けたまま、震えている。

「…なあ、お前ら一線超えちゃったの?」

俺は両手を下げたまま聞く。

「うるさい!」

銀髪が震える声で絞り出す。

「ふーん?じゃ手堅くヴァージン守ってんの」

目の前で屈んで、にっこり笑って言ってやる。
銀髪は俺を睨みつけると銃を突き出した。

「…あんたには関係ない」

「あ、そ」

顎を掴んで上げた。
真朱の時とは違く、荒々しく。

「俺のモンになってくれよ」

顔も性格もバッチリクリアしてるからさ。

身体を引き寄せて囁くと、ぱん、と破裂音がした。

銀髪は肩を押すと、俺の腹を見て、絶句する。

腹に触ると、ぬるっとした感触があった。

「あー…痛え……」