「…すげえ嫌なこと言うかもしんねーけど」

真面目な顔で、しっかりと目線を合わせてくる木月。

「ああ」

「……何であの人らと関わってんだ?」

「…知ってるのか」

「そりゃ…もうガキじゃねえんだぜ?」

中学三年ぐらいには気づいてたさ。

「…そうか」

思わず苦笑すると、木月も笑った。
そして、言う。

「あの人たちは良い人ばっかだ」

「…何でそう言えるんだ?」

「普通だったらそっちに入らないかとかいわれそうだけど、そんな事ないし、多摩木先生なんてなんであんな所にいるのか分かんねーもん」

「…裏じゃ酷い事してんだよ」

「多摩木先生はそう言う事しないって」

「どんだけ信じてんだよ」

その言葉に眉根を寄せる木月。
ああ、直ぐ怒鳴る坂本より大人だな。
そんな事を考えていると、木月が言った。