[Giove]
「…それで、だ」
パチパチと瞬きをする真朱の額にちゅっとキスしてやると、ムッと唸り声がした。
そして顔がかあっと赤くなる。
「…覚えていて欲しいのは」
「な……な、」
「こんなことされても、信用すんなよ?」
けらけら笑ってやると、スゥイーノが戻ってきた。
「…何してんの」
「いや、別に、その」
「好きだよーっつって口説いてたんだよ」
「違います!」
「あらヒドイ。こんな伊達男の求愛を断るなんて」
「自分で言うんじゃないわよ」
大体告白を求愛って言ってる時点で間違ってるわ。
俺はワザとらしく溜息を吐き、部屋を出た。