「マルテ・アマラント・オルディナーレ」
「マルテ?」
「…でいいが、こいつは日本語通じないからな」
「そうですか」
此処は何処ですか?
何であたし此処に…
「あーあーあー、オッケー待ってくれ。順番に説明する」
そう言えば、マソオは黙ってくれた。
「先ず、お前は此処に連れてこられたんだ」
なんつーか、誘拐?
「はあ?」
「んで、俺らはお前の見張りなワケ。逃げない様に」
「誰が、何であたしを」
「ハッキリ言うが、俺は詳しい事は聞いてない」
「え、全然意味が…」
「ま、兎も角、だ」
顔をずいっと近づけると、マソオは頬を僅かに染めた。
「とりあえず何かあったら、大人しく俺らの言う事聞いて欲しいワケ」
「……」
マソオが俺の胸を押しながら、頷いた。